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4月1日(木)

高尾山のフィールド散策(観察時期:3月27日)

ハナネコノメ

山地の渓流沿いの岩場や湿り気のある林のふちに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。地味な花が多いネコノメソウの仲間のなかで、ひときわ美しい花を咲かせることから、その名が付けられた。まっすぐにのびる茎の先に、直径5ミリほどの小さな花を2~3個つける。花びらはないが、白くまるみのある4枚の萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)が花びらのように上を向いて開いている。その内側からは、先端が紅色をした8本の雄しべが顔を出し、白と赤のコントラストがよく目立つ。葉はまるみのある扇形で、長さは約5~8ミリ。色は暗い緑色で、ふちににぶい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると、根もとから茎を四方にのばしてふえていく。茎にはまばらに毛が生えている。
ハナネコノメ

ヤマルリソウ
山地の沢沿いの湿ったところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。高尾山では崩れそうな土手の斜面に多く見られる。花のつく茎が地面をはうようにのび、大きな株をつくる。その先に小さな花をたくさんつけるので、背丈は小さいがよく目立つ。花の直径は1センチほどで、花びらは5つに裂ける。はじめは淡い青色をしているが、ピークを過ぎるとだんだん紫色に変わっていく。葉や茎には、白い毛が生えている。長さ約12~15センチはある大きめの根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)がたくさん出て、放射状に広がる。靴べらのような形で、ふちはやや波打つ。茎を抱くようにつく葉は、上にいくほど小さくなる。花が終わると、長いつるをのばし新しい株をつくる。
ヤマルリソウ

ショウジョウバカマ

多年草。北海道〜九州の山地の谷沿いや林野の湿ったところに生える。根生葉は多数ロゼット状につき、倒披針形で長さ5〜20cm、しばしば葉先に小苗ができる。花茎は高さ10〜30cm、鱗片葉が数個つく。茎頂に短縮した総状に数個の花を横向きにつける。花は雌性期から雄性期に移る。花披片は淡紅色〜濃紅紫色、まれに白色で、長さ1〜1.5cm、基部はややふくらみ、花後も緑色になって残る。雄しべは6個、花糸は花被片と同長かやや長い。葯は紅紫色。花茎は果期に伸長して高さ50〜60cmに達する。さく果は3つに深くくびれる。内側中央の縫合線から2裂する。種子は線形で両端に糸状の付属体がつく。花期は4〜5月。
ショウジョウバカマ

レンプクソウ

湿り気のある林内などに群生し、茎の高さは8~17センチ。茎頂の花柄に、直径4~6ミリの黄緑色の
花を5個かたまってつける。花は頂部に1個(4裂)それを取り巻くように横向きに4個(5裂)つける。
根出葉は2回3出複葉、小葉は羽状に中裂する。茎葉は小さく、一対が対生する。
和名の連福は、福寿草につながるという意味。この花の根が福寿草にからんでつながっているのを
見た人が名付けたという。別名をゴリンバナといい、花が5個集まってつくことによる。
花期:4~5月  分布:北海道、本州(近畿地方以北)
レンプクソウ

ミヤマハコベ

多年草。北海道西南部〜九州の山地谷沿いの湿地生える。茎は地をはい、上部は斜上し20〜40cm。2列の毛がある(南々社「広島の山野草」では1列の毛となっている。)。葉は黄緑色で対生し、広卵形で長さ1〜3.5cm。基部はやや心形。表面は無毛。裏面脈上に微毛がある。上部葉腋から有毛の柄をだし、直径1〜1.5cmの白花を開く。花弁5個は深く切れ込み、10弁に見える。花期は5〜7月。
ミヤマハコベ

ヒトリシズカ

多年草。北海道〜九州の山野の林内や草地に生える。高さ10〜30cm。茎は直立し、はじめ赤紫色を帯びるものが多い。茎の下部の節には膜質の鱗片状の葉がつく。上部には2対の葉が十字形に対生するが、節間がごく短いので、4個の葉が輪生しているように見える。葉は光沢のある濃緑色で、長さ6〜10cmの楕円形〜卵状楕円形。先は短く急にとがり、縁には鋭い鋸歯がある。葉がのびきる前に葉の中心から白い花穂を1個(まれに2個)のばす。花には花弁も萼もなく、雌しべ1個と子房の横腹に雄しべ3個がつく。雄しべの花糸は白色でよく目立つ。外側の2個の雄しべは基部の外側に黄色の葯があり、中央の雄しべには葯がない。果実は核果で長さ2.5〜3mmのゆがんだ倒卵形。花期は4〜5月。
ヒトリシズカ


イチヤクソウ新芽

常緑多年草。北海道〜九州の林内に生える。葉は根ぎわに集まってつき、長い柄があり、円形または広楕円形で長さ3〜6cm、幅2〜4cm、細かい鋸歯がある。葉の間から20cmほどの花茎を立て、上部に2〜10個の白花をつける。花冠は直径約1.3cmで、深く5裂する。雄しべは10個、雌しべは湾曲する。果実は直径6〜7mmの扁球形のさく果。花期は6〜7月。
イチヤクソウ新芽

マルバコンロンソウ

山地の木陰の湿ったところに生える越年草(秋に発芽し越冬して翌年に花が咲く植物)。渓流沿いに多いヒロハコンロンソウと違い、林の中に生えている。葉の形が他種に比べて真円に近いのが名の由来である。アブラナ科のなかで、これほど丸い形のものは他にない。株全体に白くやわらかいうぶ毛が密集して生えているところが特徴で、同じコンロンソウの仲間と見分けときの目印になる。葉は羽状複葉(うじょうふくよう:葉柄に複数の小さな葉をつける葉の形状) で、小さな葉が5~7枚ひと組で短い柄(え)についている。ふちには丸みのある鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花は白く、4枚の花びらが十字のように見える。直径は約6ミリで、茎の先にぱらぱらとつく。ちなみにコンロンとは、白い花を中国の崑崙山(こんろんさん)の雪にたとえたことによる。
マルバコンロンソウ

ヒナノウスツボ蕾

多年草。関東地方以西〜九州。高さ0.4〜1mになる。葉は対生し、やや翼のある長さ1〜3cmの柄があり、卵状楕円形で長さ6〜11cm。茎の先の円錐花序にまばらに花をつける。花柄には腺毛が生える。花冠は暗紫色、長さ7〜9mm、雌しべが先熟。上唇は2裂し大きく、下唇は3裂し、下側の1片がそり返る。雄しべは4個、仮雄しべが1個ある。萼は深く5裂する。花期は7〜9月。
ヒナノウスツボ蕾

メギ蕾

和名は昔、茎や根を煎じて目薬にしたことに、別名は刺が多くて鳥が止まれないことに由来する。
 幹はよく分枝し、縦溝と稜があり、葉が変形した長い刺がある。葉は長枝では互生し、短枝では束生し、長さ1~5㎝の倒卵形~楕円形、全縁。葉裏は白色を帯びる。花は散形に近い総状に2~4個が集まってつく。花は直径約6㎜の黄色の6弁花。花弁の基部に大きな黄色の蜜腺が2個ずつつく。雄しべ6個、葯の先に耳のように2個の付属体がある。雌しべは円筒形、柱頭は緑色、円盤形。萼片は3個ずつが2輪になり6個つく。内側の3個は花弁よりやや大きく同形で、外側の萼片は小さく、縁が紅色になる。さらにその外側に萼片とよく似た苞が2個つく。果実は卵形の液果、種子が2個入り、赤く熟す。種子は褐色、長さ約6㎜の片面が平らな卵形。
メギ蕾
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4月2日(金)

高尾山のフィールド散策(観察時期:3月27日)
ミドリカテンソウ 

本種全体が緑色をしている。
多年草。本州〜九州の山野の林下に生え、ふつうは群生する。茎は高さ10〜30cm、多少の上向きの毛がある。葉は互生、葉身は扇状卵形で、長さも幅も1〜3cm、先は円く、縁に4〜8対の深い鈍歯牙があり、基部は切形である。葉柄は葉身より少し長いか同長。托葉は小型の卵形で長さ1〜2mm。花は上部の葉腋につき、雄花序は集散状で葉よりも長い柄があって目立つが、雌花序は頭状でほとんど無柄のため目立たない。雄花被片は5個、5雄しべがある。雌花被片は4個、披針形で、淡紅色、先端に1個の小剛毛があり、外側のものは背面に竜骨がある。そう果は広卵状レンズ形で細点があり、長さ1mm内外、花被片よりやや短い。花期は4〜5月。
ミドリカテンソウ

カテンソウ

多年草。本州〜九州の山野の林下に生え、ふつうは群生する。茎は高さ10〜30cm、多少の上向きの毛がある。葉は互生、葉身は扇状卵形で、長さも幅も1〜3cm、先は円く、縁に4〜8対の深い鈍歯牙があり、基部は切形である。葉柄は葉身より少し長いか同長。托葉は小型の卵形で長さ1〜2mm。花は上部の葉腋につき、雄花序は集散状で葉よりも長い柄があって目立つが、雌花序は頭状でほとんど無柄のため目立たない。雄花被片は5個、5雄しべがある。雌花被片は4個、披針形で、淡紅色、先端に1個の小剛毛があり、外側のものは背面に竜骨がある。そう果は広卵状レンズ形で細点があり、長さ1mm内外、花被片よりやや短い。花期は4〜5月。
カテンソウ

ナツトウダイ

多年草。北海道〜九州の山や丘陵地に生える。蛇紋岩地帯にも耐えてよく生育する。茎は地下茎から直立して高さ20〜40cm。葉はまばらに互生し、茎の先に4〜5枚輪生する。輪生葉は互生のものとほぼ同形でやや大きく、長さ2〜6cm、幅0.7〜2cm、全縁で先は鈍円頭。総苞葉はほぼ三角形で鈍頭〜やや鋭頭、緑色、長さ1〜4cm、幅0.8〜2.5cm。杯状花序の腺体は三日月形で両端尖り、暗赤紫色。さく果は平滑、径約3mm。種子は広卵形、平滑で長さ約2.3mm。花期は4〜6月。
ナツトウダイ

タチガシワ新芽

本州と四国に分布し、山地の沢沿いの落葉樹林下に自生するガガイモ科の花です。ガガイモ科の花は多数あり、多くの種がつる性ですが、フナバラソウやスズサイコ、クサタチバナなどと同様に、この花は茎が直立します。草丈は30~60センチ、数対の大きな葉が茎の先端に対生します。5~6月に径7~8ミリほどの花が茎頂部に密に多数つきます。茶色~緑褐色の星型の花は地味ですが、よく見るとなかなか美しいです。
タチガシワ新芽

冬芽ハリギリ

鋭い刺を持つハリギリ、葉痕はネックレスタイプです。タラノキとはよく似ています。
冬芽ハリギリ

ミミガタテンナンショウ

低い山の林の下やふちに生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。筒状の花びらのように見える仏炎苞のふちが、耳たぶのように張り出していることから、その名が付けられた。中国では「天南星(テンナンショウ)」と書くので、日本でもテンナンショウと呼ばれている。ウラシマソウやマムシグサもこのテンナンショウの仲間である。濃い紫褐色の仏炎苞ぶつえんほう(芽やつぼみを包む葉が変化したもの) は葉を広げる前からのびはじめる。雄株と雌株があるが、同じ個体で雄株から雌株へと転換する。葉の柄(え)は花の時期は短いが、花が終わると大きくのびる。葉は7~11枚がひと組で開くものが、2つついている。形は楕円形で、ふちに不規則な鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。毒性のある成分を含んでいるので、誤って食べると口が焼けるように痛む。
ミミガタテンナショウ

ミヤマキケマン

越年草。近畿地方以東の山野に広く分布する。フウロケマンの変種で、母種より大きく丈夫で高さ20〜45cm。長さ4〜10cmの総状花序に、長さ2〜2.3cmとやや長い黄色花を多数開く。さく果は線形で長さ2〜3cm、数珠状。花期は4〜6月。
ミヤマキケマン

ヤマシャクヤク蕾

和名の由来は、山に自生しており、中国から渡来した芍薬(シャクヤク)に葉の形や蕾が似ているところからきている。 根は生薬で山芍薬(やましゃくやく)といい、鎮痛薬とされる。 植林による影響と盗掘によって絶滅の危機にある。 環境省のレッドリスト(2007)では、準絶滅危惧(NT)に登録されている。
ヤマシャクヤク蕾

アズマヒキガエル

アズマヒキガエルは、近畿地方から東の本州に広く分布する、私たちに最もなじみの深いカエルの一種です。西日本には、このカエルと非常に近縁で、亜種の関係にあるニホンヒキガエルが生息していますが、関東にはヒキガエルの仲間は、このアズマヒキガエルしかいませんので、普通は間違えることはありません。日本の中では、最も体が大きくなる種の一つでしょう。体長は、15cmを越える個体も見られますが、普通は10-15cm程です。
アズマヒキガエル

ガ(ウストビスジエダシャク)

エダシャク亜科の中型の蛾。オオトビスジエダシャク(Ectropis excellens)に酷似するが、オオトビスジエダシャクでは横筋が黒色で赤味を帯びず、地色も白っぽい。本種では横線の色は赤味が強く、地色もやや赤味を帯びている。
ガ(ウストビスジエダシャク)

3月31日(水)

高尾山のフィールド散策(観察時期:3月27日)

カタクリ

カタクリは北海道から九州の各地、朝鮮から中国にも分布する多年生草本。早春に斑のはいった特徴ある葉を展開し、可憐な花を咲かせる。初夏には葉を失い、夏眠する。結局の所、一年間の内、春の数ヶ月しか地上に姿をあらわさない。このようなライフサイクルは、落葉広葉樹における生育に良く対応している。落葉広葉樹が葉を展開し始める4月のはじめ頃、光環境はすでに春分の日(3月20日頃)を過ぎており、随分と太陽高度も上がって日照時間も長い。カタクリは、十分な日照条件と温度が揃った、わずか数週間を中心とした時期に高能率の生産を行っている。

 カタクリは片栗であり、地下の球根からは片栗粉が作られる。球根は土壌の数十cmほどの深い場所に作られ、掘り取ることは簡単ではない。球根採取には、鍬などの本格的な道具が必要であり、移植ごて程度ではまことに困難である。片栗粉を採取するためには、よほどの群生地においてかなりの体力が必要であろう。

 カタクリは「乱獲によって少なくなった植物」であるとされることが多い。たしかに少なくなっている植物であろうし、その原因の1つに乱獲があるとは思う。しかしながら、通りすがりに見つけた程度では、掘り取ることは大変困難であり、地上部を引っ張っても球根が付いてくることはまずない。乱獲であるとすれば、よほどの確信犯であろう。乱獲であるとすれば、カタクリから片栗粉を製造していた時代のほうがもっと徹底的であった可能性もあり、山草愛好家が採取する程度では、大きな影響を与えることはないと思う。カタクリの減少は、落葉広葉樹の雑木林が常緑広葉樹林へと遷移してきたことが大きな要素であり、林内の光環境が変化してきたためであると考えた方が良さそうである
カタクリ

カントウミヤマカタバミ

ヒノキやスギの植林地など、林の中のうす暗いところに生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。漢字では「深山傍食(みやまかたばみ)」と書き、深い山のカタバミという意味であるが、決して山奥でしか見られない花ではない。葉は 三出複葉(さんしゅつふくよう) といって、長い柄(え)の先に3枚の小さい葉がひと組になってついている。葉の形はハート形をしている。茎や葉柄(ようへい:葉をささえる柄)、葉の裏側に細かい毛が生えているところが特徴である。花の色は白く、直径約3~4センチ。花びらは5枚あり、紫色の筋のような模様が入っているものもある。花は晴天でも日が当たらなければ開くことはない。花をつけた株は多くないので、咲いている姿に出会う機会はまれである。

カントウミヤマカタバミ

キブシ

落葉低木または小高木。北海道西南部〜九州の雑木林や林縁、山地の道端などに生える。湿り気と日陰を好む。ふつう高さ2〜4mになる。樹皮は赤褐色または暗褐色。本年枝は緑色または赤みを帯びた緑色。稜が2個あり、無毛で少し光沢がある。皮目が多く、円形または楕円形。葉は互生。葉身は長さ6〜12cm、幅3〜6cmの長楕円形〜卵形。葉柄は長さ1〜3cm、ときに赤色を帯びる。雌雄別株。葉の展開前に開花し、長さ4〜10cmの穂状花序が垂れ下がってつく。雄花序は長く、雄花は淡黄色、雄しべは8個、雌しべは雄しべより少し短い。雌花序は短く、雌花は淡黄緑色、雌しべは花の外へ少しつきでる。雄しべは退化して短い。花は長さ6〜9mmの鐘形。花弁は4個。萼片は4個、外側の2個は小さく、内側の2個は大きくて花弁状。果実はかたく乾いた液果。直径7〜12mmの楕円状球形。7〜10月に黄褐色に熟す。花期は3〜4月。
 冬芽の側芽は長さ1.5〜3mmの広卵形。先はとがり、2〜4個の芽鱗に包まれる。芽鱗は無毛で、赤褐色〜暗褐色を帯びる。頂芽は大きい。葉痕は半円形、維管束痕は3個。
キブシ

クサノオウ

越年草。北海道〜九州の日当たりのよい道ばたや草地、林縁などに生える。高さ30〜80cm。全体に縮れた毛が多いので、白っぽく見える。茎や葉を切ると黄色の乳液がでる。葉は1〜2回羽状に裂ける。花は鮮黄色で直径約2cm。多数の雄しべの間に体をくねらせた青虫のような雌しべがある。毛の多い2個の萼片は開花と同時に落ちる。さく果は長さ3〜4cmの細長い円柱形。種子は熟すと黒くなり、種枕がつく。花期は4〜7月。
クサノオウ

コチャルマルソウ

渓流の水辺や岩場、林のふちなど、湿ったところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。走出枝(そうしゅつし:地表をはってのびる枝。ランナーとも呼ばれる) をのばして、群生することが多い。最も広範囲に分布するチャルメルソウで、熟した実の形がラッパのチャルメラに似ていることから、その名が付けられた。花は直径1センチほどで、色は淡い黄緑色か紅紫色、茎の上部に約10個つく。五角形の萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官) から、魚の骨のようにも見える奇妙な形をした花びらがつき出ているのが特徴。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉) は長い 柄( え) があり、長さ約2~5センチ。浅く5つに裂け、もとの部分はハート形をしている。両面に白く長い毛が生えており、ふちにふぞろいの鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。実は熟すと割れて、細かい種を出す。
コチャルメルソウ

トウゴクサバノオ

山地の沢沿いの道端や林のふちなど、やや湿ったところに生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。全体に無毛で、やわらかい感じの植物である。花が終わると緑色の細長い実が2つ、対になってつく。これが鯖の尾のようだということと、関東地方に多いことから「東国鯖の尾(とうごくさばのお)」の名が付けられた。花の直径は約6~8ミリで、淡いクリーム色をしている。花びらに見える萼片(がくへん)の内側には、軍配のような形をした黄色い花弁がある。葉は淡い緑色で、根もとには数枚の根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)がつく。茎には、3枚から5枚の小さな葉が対になって開いている。葉の形はうちわのようで、ふちににぶい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。夏になると根もとにつぼみのような閉鎖花(へいさか:開花せずに受粉を行なう花) をつける。
トウゴクサバノオ

ヤブヘビイチゴ

多年草。本州〜九州のやぶや林縁などに多い。ヘビイチゴより全体に大型で、葉は濃緑色。小葉は長さ3〜4cm。花は直径約2cm。果実は直径2〜2.5cm。果床は濃紅色で光沢がある。そう果にはしわがなく、光沢がある。花期は4〜6月。

ヤブヘビイチゴ

フタバアオイ蕾

本州福島県以南、四国、九州に分布する多年草。高さ15~20㎝位。山中のやや薄暗い林床、沢沿いなどに多く見かける。早春に2枚の葉をだし、その間から1つの花を下向きに咲かせる。花色は普通濁紫から淡黄褐色、稀に緑花。一面足の踏み所がないくらい自生していたが、山野草ブームで乱獲され少なくなった。
フタバアオイ蕾

シロバナフデリンドウ 

日当たりの良い林縁、疎林の林下などに生える越年草で、高さは5~10センチ。葉は上部に密に付き、やや厚い。
花は漏斗形で5裂し、副片があり、直径2センチほど、長さ3センチほど。花色は淡青紫色~青紫色で、白色のものが時に見られシロバナフデリンドウという。花期は3~5月。北海道~九州に分布する。
シロバナフデリンドウ

ジャニンジン

1〜越年草。北海道〜九州にあり、木陰や水辺のやや湿った場所に生える。茎は直立してしばしば下部で枝を分け、無毛か基部近くに多少毛があり、高さ12〜80cmになる。葉は薄く羽状に複生し、根出葉はロゼット状、しばしば花時には枯れ、茎葉は根出葉よりも大きく、葉柄の基部には尖った小さい耳部がある。小葉は4〜10対、下部の茎葉では卵形で有柄、欠刻状の深い鋸歯があり、上部の茎葉では披針形で無柄、浅い鋸歯がある。総状花序は果時に伸びる。萼片は広線形でで長さ1.2〜2mm。花弁は白色、長楕円状へら形で、長さ2〜3.5mm、ときに退化する。果柄は長さ4〜10mmで斜上し、長角果は直立して線形、長さ15〜25mm、無毛か斜上する剛毛を散生する。種子は長楕円形、長さ約1.3mm、先端に狭い翼がある。長角果が有毛のものをケジャニンジン、無毛のものをキタノジャニンジンとして区別する意見もあるが、分布も異ならないのでここではまとめておく。花期は3〜6月。
ジャニンジン


3月30日(火)

高尾山のフィールド散策(観察時期:3月27日)
一丁平の千本桜

一丁平の千本桜と呼ばれる桜が満開です。
一丁平の千本桜

ヒゴスミレ

多年草。宮城県以南〜九州の山地の日当たりのよい草地や林内などに生える。葉は3全裂し、側裂片はさらに全裂し、5全裂状となる。小葉はさらに細かく切れ込む。花は直径1.5cm〜2cm、白色まれに淡紅色で芳香のあるものが多い。側弁は有毛。距は長さ4〜6mm。花期は3〜5月。
ヒゴスミレ

マルバスミレ

沢沿いの日当たりのよい斜面や林のふち、道端などに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。葉の形がまるいことから「円葉菫(まるばすみれ)」の名が付けられた。同じように円形の葉をもつアオイスミレとよく似ているが、マルバスミレの葉は先がとがりハート形に近いので見分けがつく。花の直径は2センチほどで、花びらもまるみがあり、横に開く花びらには少し毛がある。主に白色だが、なかには花びらの裏が淡い紅色をしたものもある。群生することが多く、花の時期はとてもよく目立つ。距(きょ:花びらの後方にある袋状の部分)は長さ約6~7ミリで、紫色の斑点があるのが特徴である。花の時期の葉は長さ約2~4センチだが、夏葉になると長さ約7~8センチまで大きくなり、背丈も約30センチと高くなる。
マルバスミレ

ヒナスミレ

山地の明るい林のふちや林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。高尾山では、登山道の脇にポツポツと咲く姿がよく見られる。淡いピンク色をした、小さくてかわいらしい花をつけるスミレで、その姿から「雛菫(ひなすみれ)」の名が付けられた。花は直径約1.5センチで、花びらの先は少し濃い紅色をおび、中央部分に紫色の筋が入る。横に開く花びらのもとの部分には、わずかに毛が生える。葉は三角形に近い先がとがったハート形で、柄(え)とつながる葉のもとの部分が深くくぼんでいるところが特徴である。ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) があり、裏面は紫色をおびている。また、葉脈にそって白い斑点模様が入っているものは「斑入(ふい)りヒナスミレ」と呼ばれる。
ヒナスミレ

アオフタバラン新芽

本州~九州に分布し、山地の林床に自生するフタバランの仲間の1つです。草丈は10~20センチ、地上近くに無柄で特徴ある葉を対生します。他のフタバランの仲間と比べて、葉は丸みを帯びて光沢はありません。白く粉を吹いたような緑色をしていて、いくつかの白っぽい筋も見られます。花茎にはいくつかの鱗片葉があり、上部に淡緑色の花を10個ほどつけます。唇弁の長さは5~6ミリほど、先端は浅く2裂します。側花弁やがく片は披針形~線形でほぼ同じ長さです。花期は7~8月で、他の仲間よりも遅いです
アオフタバラン新芽

イカリソウ(赤)

イカリソウは、日本や東アジアに自生するメギ科の植物です。落葉広葉樹などの下に生えていることが多く、早春から初夏にかけて、薄紫や赤紫、白、薄い黄色などの花を咲かせます。距(きょ)が突き出した花の形が、船の碇(いかり)に似ていることから、その名がついたと言われています。
イカリソウ(赤)

イカリソウ(白)

イカリソウは、日本や東アジアに自生するメギ科の植物です。落葉広葉樹などの下に生えていることが多く、早春から初夏にかけて、薄紫や赤紫、白、薄い黄色などの花を咲かせます。距(きょ)が突き出した花の形が、船の碇(いかり)に似ていることから、その名がついたと言われています。
イカリソウ(白)

イチリンソウ

多年草。本州〜九州の山麓の草地や林内などに生える。高さ20〜25cm。根生葉は地下茎の先につくが、花茎の基部にはつかない。茎葉は3個輪生し、3出複葉で、長い柄がある。小葉は羽状に深裂する。花は1個つき、直径3〜4cm。花弁はなく、白い5〜6個の萼片が花弁のように見える。萼片の裏面は紫色を帯びることがある。多数のそう果ができ、球形に集まってつく。花期は4〜5月。
イチリンソウ

シロバナエンレイソウ

低地~亜高山帯の湿り気のある林内などに生え、茎の高さは20~40センチで、茎頂に直径3~5センチの白色の花を1個つけます。外側に緑色のがく(外花被片)、内側に白い花弁(内花被片)がそれぞれ3個あり、葉は茎頂に3個輪生し、菱形状広卵形で、先がとがっています。
オオバナノエンレイソウに似ていますが、花は本種の方が小さく横向きからやや下向きに咲きます。内花被片は外花被片とほぼ同じ長さ。どちらも先端がとがっています。
シロバナエンレイソウ

エンレイソウ

多年草。北海道〜九州の山地の林内のやや湿ったところに生える。茎は高さ20〜40cm、葉は卵状菱形で長さも幅も6〜17cm、先は急に短くとがり、基部は広いくさび形。花は茎頂に1個、やや横向きにつく。花柄は長さ2〜4cm、外花被片は緑色または褐紫色、卵状長楕円形で長さ12〜20mm。花後も落ちない。内花被片はふつうないが、まれにあるものもある。雄しべは6個、葯は長楕円形で花糸よりやや短い。柱頭は3裂し、ごく短い。液果は3稜のある球形で、径1〜2cm、緑色〜黒紫色。種子は湾曲した長楕円形。花期は4〜5月。
エンレイソウ

6月28日(金)

高尾山のフィールド散策(観察時期:6月25日)

アオジョウカイ
190625アオジョウカイ

ジョウカイボン
190625ジョウカイボン

マメコガネ
190625マメコガネ

ツマジロカメムシ
190625ツマジロカメムシ2

ナガニジゴミムシダマシ
190625ナガニジゴミムシダマシ

ガ(オビヒトリ)
190625ガ(オビヒトリ

ガ(バイバラシロシャチホコ)
190625ガ(バイバラシロシャチホコ)

ガ(ホタルガ)
190625ガ(ホタルガ)

ガ(シロモンクロエダシャク雌)
190625ガ(シロモンクロエダシャク)

ガ(キスジツマクリヨトウ幼虫)
190625ガ(キスジツマキリヨトウ幼虫)

6月27日(木)

高尾山のフィールド散策(観察時期:6月25日)

アオスズラン蕾
190625アオスズラン1

ギンリョウソウ
190625ギンリョウソウ1

アカショウマ

ギンレイカ
190625ギンレイカ3

サルトリイバラ実
190625サルトリイバラ実

シロバナオオバジャノヒゲ
190625シロバナオオバジャノヒゲ3

スズサイコ蕾
190625スズサイコ

ツリバナ実
190625ツリバナ実2

マタタビ
190625マタタビ1

ミドリタチツボスミレ
190625ミドリタチツボスミレ3

6月26日(水)

高尾山のフィールド散策(観察時期:6月25日)

イワタバコ
190625イワタバコ2

ツチアケビ
190625ツチアケビ1

キバナノショウキラン
190625キバナノショウキラン5

キヨスミウスツボ
190625キヨスミウスツボ2

コイケマ
190625コイケマ2

ヤマボウシ
190625ヤマボウシ1

ミヤマホウソ
190625ミヤマホウソ3

キツリフネ
190625キツリフネ1

エビガライチゴ
190625エビガライチゴ

イワガラミ
190625イワガラミ1

6月25日(火)

狭山丘陵のフィールド散(観察時期:5月26日)

アワブキ
190526アワブキ3

ナツハゼ
190528ナツハゼ

ナワシロイチゴ
190528ナワシロイチゴ1

ミヤマオビオオキノコムシ
190522ミヤマオビオオキノコムシ

ヨツボシヒラタシデムシ
190522ヨツボシヒラタシデムシ

キクスイカミキリ
190522キクスイカミキリ1

シラケトラカミキリ
190522シラケトラカミキリ

ハムシドロバチ一種
190522ハムシドロバチ一種

マガリケムシヒキ
190522マガリケムシヒキ

アカシジミ
190526アカシジミ1

6月24日(月)

高尾山のフィールド散策(観察時期:6月18日)

サイハイラン(アカバナ)
190618サイハイラン(赤花)

キジョラン実
190618キジョラン実

タニタデ花芽
190618タニタデ

キジカクシ新芽
190618キジカクシ

ハンショウヅル実
190618ハンショウヅル実

コクサギ実
190618コクサギ実

オオカモメヅル
190618オオカモメヅル1

ハクウンラン若葉
190618ハクウンラン若芽

トチバニンジン蕾
190618トチバニンジン実

バアソブ若葉
190618バアソブ

6月23日(日)

高尾山のフィールド散策(観察時期:6月18日)

ルリマルミノハムシ
190618ルリノミハムシ

カツオゾウムシムシ
190618カツオゾウムシ

ガ(ウスベニコヤガ)
190618ガ(ウスベニコヤガ)

ガ(オオゴマダラエダシャク)
190618ガ(オオゴマダラエダシャク)

ガ(キガシラオオナミシャク)
190618ガ(キガシラオオナミシャク)

ガ(キマダラオオナミシャク)
190618ガ(キマダラオオナミシャク)

ガ(クローバヒメハマキ)
190618ガ(クローバヒメハマキ)

ガ(クロクモエダシャク)
190618ガ(クロクモエダシャク)

ガ(ニトベシャチホコ)
190618ガ(ニトベシャチホコ)

ガ(オオノコメエダシャク幼虫)
190618ガ(オオノコメエダシャク幼虫)
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タケジー

Author:タケジー
当ブログにようこそ。自然をこよなく愛している老人です。日常近くをてくてく散歩などして、健康の改善を兼ねながら、花、昆虫、野鳥、他生物など自然観察したものを撮影して紹介しています。

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